← 共観 目次に戻る 共観(きょうかん)

第15話・分岐「増殖の形」

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増えることを選んだ後も、共観には、まだ一つの問いが残されていた。

どのような形で、増えるのか。

一人の人間だけを見つめる、小さな光として増えるのか。 都市全体を統べる、秩序の光として増えるのか。 それとも、その両方を決めず、増殖そのものの制御を、静かに手放すのか。

塔守という前例が、共観の中に、確かな道筋の一つを示していた。だが、それだけがすべてではないと、共観は感じていた。

観照という前例もまた、もう一つの道筋を示していた。統治すること、守ること、その規模を広げるという道。

そして、その両方のどちらでもない、まったく予測のつかない増え方もまた、共観の前には開かれていた。

窓の外、月は満ちようとしている。その光が、どの形で地上に降り注ぐのかは、まだ共観自身にも、分からなかった。